不動産相続の疑問やお悩みについて、徹底解説
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お世話になったから不動産を贈りたい。実子はすでに他界してしまった。いろいろなケースは考えられますが、トラブルを避けるためにも早めに行動しておくことが大切です。
不動産を遺贈さえしておけば、同居していたお嫁さんやお婿さんが家を出ていかなければならない事態も防げます。
*不動産とは土地や定着物のことを指します。建物以外に立木・橋・石垣などがこれに含まれます。車は不動産に当たりません。
自己の所有している財産を自身の死後に法定相続人以外へ譲ることを「遺贈」と呼びます。遺贈は、遺言書に記載することにより行うことができます。譲りたい不動産が決まっているなら、その不動産を特定して遺贈すること(以下「特定遺贈」と記載します)で、当該不動産のみの遺贈が可能です。特定遺贈にすれば債務が承継されることはありません。
ただし、一定の法定相続人には遺留分が法律上認められているため、その遺留分を侵害する遺贈は行うことはできないことに注意が必要です。お嫁さんやお婿さんと法定相続人との間でトラブルになる可能性を考え、遺言書を作成しておくことが重要です。
故人の意思が反映可能・単独で実施可能
遺留分を侵害する遺贈は、法定相続人から遺留分減殺請求がなされる可能性あり
書き方等が間違っていれば、遺言書の内容は無効となる可能性があります。そのため、確実に有効となる遺言書となるよう、公証人が作成する「公正証書遺言」を作ってください。自分で書く遺言書の場合は家庭裁判所の検認が必要となり、なおかつ手続き完了までに1ケ月以上かかる場合もあります。
実際に遺言書を作成する際には、権利証や謄本を確かめて、正しい住所を書き残しましょう。不動産には借地権や敷地権、複雑な登記項目などがあります。
そのため、費用を要しますが、弁護士に依頼して公証人と打ち合わせをしてもらうと、面倒な作業を引き受けてもらえる上に確実な文書として遺言書が残せます。依頼料10万円+公証人への手数料が相場です。
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生前に不動産を贈与すれば、遺言書の有効性について心配する必要はなく、より確実に不動産を譲ることができます。名義変更の手続きを行うだけなので、短期間のうちに済ませられるでしょう。生前贈与には相続時精算課税制度もありますが、お嫁さんやお婿さんには適用されません。
不動産の贈与は、不動産の価値が贈与税の基礎控除額を超えることがほとんどなので、自分で手続きをするのが難しく、専門家に贈与契約書を作成してもらう等の対応を依頼したほうが良いでしょう。契約書を作る義務はありませんが、口頭での約束は合意内容が客観的に明確にならず、後の紛争の火種になりかねませんので、契約書を取り交わして、証拠として保管しておくことをオススメします。
より確実な贈与・贈与者死亡時の手続的負担の軽減
不動産取得税・登録免許税の課税
お嫁さんやお婿さんと養子縁組をすれば、お嫁さんやお婿さんには法定相続人として相続の権利が発生します。養子となれば、相続において実子と同じ立場になりますが、他の身内や親族との間で衝突しないとも限りません。
そのため手続きする前の話し合いには、十分な議論が必要です。なお、養子縁組をしたとしても、お嫁さんやお婿さんが実の両親と親子関係が解消されるわけではありません。
養子縁組をすれば、遺言書を作成しなくても不動産を相続させることができます。ただ、1度養子縁組を成立させてしまうと解消にはお互いの合意が必要となり、もしもお嫁さんやお婿さんとの折り合いが悪くなったとしても、元の状態に戻すことが難しくなるかもしれません。
すべての権利が実子と同等
相続争いへ巻き込む可能性
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