不動産相続の前に知りたい相続で揉める家族の特徴や傾向

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遺産の総額に関係なく、相続トラブルはどの家族にも起こり得ます。親族が亡くなれば遺産の額ではなく、相続人の思いが深く関係するためです。ここでは、相続で揉める家族の特徴と傾向について紹介しています。

相続で揉める家族の7つの特徴

相続で揉める可能性がある家族には特徴があります。民法も法定相続の基準を示していますが、複雑なケースの場合はその解釈によっても争いになる可能性があります。相続で揉める家族の特徴を知り、相続前に対策を考えておくことが大切です。

相続人同士の仲が悪い・疎遠になっている

相続手続きは、法定相続人である親族は必ず連絡を取り合うことが必要です。兄弟姉妹など、もともと相続人同士の仲が悪く疎遠であれば、遺産分割の方法でもトラブルになることもあります。相続人の合意が必要であるため、相手に連絡しても無視されてしまえば、相続手続きも遅滞します。相続手続きは親族の感情が絡むことを理解しておくことが大切です。

生前贈与をうけた相続人がいる

相続人の中に高額の生前贈与が行われていたケースもトラブルに発展することは少なくありません。民法は生前贈与の規定を設けているため、相続人の特別受益とみなされれば相続分から差し引かれます。特別受益の認定も親族で解釈が異なることもトラブルの原因です。生前贈与するときは、特別受益に該当するかを書面で残しておくことが大切です。

相続財産に金融資産以外の財産が含まれている

相続財産は親族の相続分で分割しますが、分割が難しい不動産などが含まれているケースもトラブルになります。相続不動産の評価方法や分割方法で親族の意見が合わないケースや共有状態の解消方法でもめることがあるためです。いつまでも遺産分割の方法が定まらなければ、不動産の権利を確定する登記も放置されてしまいます。

推定相続人が相続するにあたり何らかの支障がある

推定相続人が認知症などのケースでは、推定相続人の意思能力が不十分となります。また、行方不明の場合も失踪者として確定しなければ、相続手続きが進められません。このように推定相続人に何らかの支障があるケースでは、民法などの法令で定めた手続きを先に行うことが必要です。推定相続人が認知症のケースでは成年後見人の選任、行方不明のケースは失踪宣告や不在者財産管理人の選任などの手続きが必要です。

想定していない相続人が急に現れる

被相続人の前妻者との子供、内縁者の子供など、想定していない相続人が発覚したときは、相続がこじれる可能性があります。被相続人の前妻者との子供、内縁者の子供も法定相続人に該当するため、無視して相続手続きを進めることは法律に反します。被相続人と生活を共にした親族にとって、想定しない相続人に遺産分割することは嬉しいものではありません。

親の介護の負担が相続人で異なる

親の介護を相続人の1人が行った場合も、その負担が大きいことから相続でもめることもあります。民法は、被相続人の療養看護をした相続人に寄与分を定めています。この寄与分によって、親の介護をした続人に他の相続人よりも多くの遺産を相続できますが、相続人間の協議で寄与分が決まります。しかし、その相続人間の協議でももめることもあり、家庭裁判所の調停に進むこともあります。

被相続人の財産管理を1人の相続人がしていた

被相続人の財産管理を1人の相続人が行っていた場合も、相続財産の使い込みを疑われ、相続人間のトラブルに発展することもあります。非相続人と生活を共にしていた場合は、他の相続人から疑われることもあります。相続財産を管理するときは、書面で証拠を残すことが大切です。

相続について家族で揉めてしまうのは珍しいことではない

「親族でもめることはない」と考えたい相続人は多いですが、相続トラブルは珍しいことではありません。小さな親族間のいさかいが相続トラブルの原因になるからです。相続トラブルになれば、相続後の親族の関係にも影響を及ぼします。相続後の親族関係を悪くしないためにも、相続が発生する前に相続トラブルを予防することは大切です。

相続争いを予防する方法

相続争いは事前に対策していれば、防ぐこともできます。親族の感情のもつれが相続争いにつながるのは、被相続人も望まないでしょう。ここでは、相続争いを予防する方法について解説します。

遺言書を残す

相続トラブルを防ぐには、遺言書を残すことが大切です。相続人には遺留分があるため、遺言書も遺留分を考慮した遺言書を作成することが大切です。遺留分を侵害すると、遺留分侵害請求を行使され、相続トラブルに発展してしまいます。

遺言書は、公証人の認証を受けた遺言書でも効力は発生しますが、遺言書の様式に問題があり無効とされることもあります。このような遺言書のトラブルを防ぐために、公正証書遺言が有効です。公正証書遺言は、公証人の認証を受けますので、効力上の争いに発展を避けられるでしょう。

生前にしっかり話し合う

高齢の父母などの生存時に相続について話し合っておくことも大切です。父母などが生きているうちから相続について話すことは戸惑いがありますが、相続トラブルを予防する目的と話して、問題になりそうな不動産の所有権などを明確にしておくことが大切です。

家族信託を利用する

遺言の効果もある家族信託を利用すると、相続トラブルの予防方法の1つです。家族信託は、認知症発症でも財産管理が可能です。財産を託された家族の柔軟な財産管理が可能です。

成年後見制度を利用する

認知症の可能性があるならば、成年後見制度の利用を検討してみましょう。成年後見制度を利用すると、第三者が財産管理します。裁判所への報告もあるため、不当な財産の扱いを防ぐことができ無用な争いを避けられるでしょう。

弁護士に相談する

相続で揉めそうな可能性があるならば、弁護士に相談することも検討しましょう。弁護士は、遺言書の作成、家族信託、成年後見制度など、相談者に適切な相続手続きの提案してくれます。相続手続きが始まる前に問題になりそうな悩みを事前に解決しておくと相続時のトラブルを回避できるでしょう。

まとめ

相続トラブルは他人事ではありません。相続財産が多くなくても起こり得ます。相続は親族間の感情のもつれもあるからです。不動産、生前贈与、寄与分など、解釈が分かれる要素は事前に第三者を踏まえて親族で話し合っておくことで、相続トラブルは回避できるはずです。相続後の親族間のわだかまりにならないように、相続トラブルの予防方法を考えることは大切。弁護士に相談すれば、相談者の利益を考慮した予防策を提案してくれるでしょう。

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引用元:東京スカイ法律事務所公式HP
(https://www.tsky.jp/)

このサイトは「東京スカイ法律事務所」の田中健太郎弁護士に監修していただいています。同氏は弁護士と行政書士、両方の資格を所持し、弁護士になる前は司法書士として活躍していたという経歴の持ち主。不動産相続に関する豊富な知識と実績を持つ弁護士です。
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