不動産相続の疑問やお悩みについて、徹底解説
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このページでは、不動産相続や遺産分割協議などでトラブルを回避したいと考える人のために、不動産一括査定サイトを利用するメリットや、実際に不動産一括査定サイトを活用する上でのポイントを分かりやすくまとめています。不動産一括査定サイトの仕組みや有用性をきちんと把握した上で、メリットを最大化しつつ不動産相続をスムーズに進めていきましょう。
不動産一括査定サイトとは文字通り、複数の不動産会社による不動産の査定を一括して行えるサイトです。不動産査定の代行サイトともいえるでしょう。
相続する不動産に対して複数の相続人がいる場合、適正な評価を査定して相続人の全員が納得しなければ、相続問題へと発展しかねません。しかし、相続する予定の物件に関して、複数の不動産会社に査定を依頼する場合、それぞれの不動産会社へ個別に依頼するとなれば、全ての査定結果が出そろうまでに時間がかかります。また、相続人ごとに不動産会社へ査定を依頼すると、情報の一元化が難しくなる恐れもあるでしょう。
不動産一括査定サイトの提供するサービスは、複数の不動産会社へ同一物件の査定以来を代行するというものです。そのため、不動産一括査定サイトを利用することで、複数の不動産会社へ物件の査定をまとめて依頼できる上、それぞれの評価額を一元管理することが簡単になります。
不動産相続において、複数の相続人が同じ不動産を相続したり、複数の不動産をそれぞれ相続したりしようとした時、公平な相続を実現するためには不動産の評価額を適正に知ることが重要です。
評価額について相続人の全員が納得していれば、不動産を現金化して分割する場合でも、不動産を相続した人が他の相続人へ相当額の現金を分配する場合でも、スムーズに話し合いを進めやすくなります。しかし、評価額について互いに合意を得られていなければ、遺産分割の内容に対して相続人の間で不満感や不公平感が強まるかも知れません。
相続は遺言書がある場合でも、遺言書がない場合でも、法律に則って公平に行われる必要があります。つまり、不動産の評価額が確定して互いに合意を得られていなければ、遺産分割協議を始めることがそもそも困難になります。
不動産を査定する場合、どのような基準で評価するかは多角的に判断されることもポイントです。
不動産の査定については、公的な参考価格や基準とすべきデータがあるものの、実際には不動産会社や不動産鑑定士など査定を行う者が変わったり、査定するタイミングが違ったりすると、評価額にも違いが生じやすくなります。
例えば不動産を売却・現金化しない場合、期待していたよりも不動産の評価額が少なければ、不動産を相続する人にとっては他の相続人へ支払う現金が減るため有利になります。反対に想定していたよりも不動産の評価額が高ければ、他の相続人へ支払わなければならない現金が多くなるでしょう。
また、不動産を売却した上で現金を分配する場合、評価額が高いほど全員に分配される現金も高くなると期待できますが、その額によっては相続税まで高くなってしまうかも知れません。
加えて、相続後に不動産の評価額が不当であったと他の相続人から指摘された場合、改めて代償金を請求される可能性もあります。
不動産の評価額は高くても安くても問題のリスクを生じさせるため、少しでも全員にとって納得しやすい方法を検討することが肝要です。
不動産一括査定サイトを利用すれば、一度の手続きで、サイトに登録されている不動産会社へ査定をまとめて依頼することができます。また、評価額についてもサイトを通じて確認できるため、いちいちそれぞれの不動産会社へ問い合わせる手間がいりません。
不動産の査定が完了し、評価額を得られるまでの時間は、そのまま相続問題を解決するまでの時間に直結するため、可能な限り効率的かつ失敗のない方法を選ぶことが大切です。
なお、不動産一括査定サイトへ登録されている不動産会社の数はサイトによっても違いますが、一般的には5~6社へまとめて依頼できるとされています。
不動産評価額は必ずしも一律とは限りません。むしろ、査定を行う不動産会社によって評価額にバラつきが生じることこそ一般的です。
その際、相続人がそれぞれの不動産会社へ査定を依頼していれば、どの不動産会社の評価額を採用するかで合意を得られない可能性もあります。しかし不動産一括査定サイトを活用することで、最初から同時に複数の評価額を比較できる上、それぞれを平均化して市場の目安を確認することが可能になります。
目安の金額が定まったとしても、最終的にどの程度の評価額で確定させるかという点については改めての話し合いが必要です。ですが、参考とすべき金額を相続人の全員が共有できることで、適正価格を考える話し合いを進めやすくなるでしょう。
一般的に、不動産一括査定サイトを利用するための費用は発生しません。
不動産一括査定サイトを無料で利用できる理由としては、不動産会社にとって査定の機会を得られれば、その後の営業活動へつなげやすくなるといったビジネス上のメリットが挙げられます。また、不動産一括査定サイトにとっても複数の不動産会社を登録してもらうことで、より多くのユーザーをサイトへ誘導できると期待できるでしょう。
つまり、不動産一括査定サイトと不動産会社、そしてサイト利用者との関係は全員にとってWin-Winにあるといえます。
基本的な考え方として、不動産を売りたい人にとっては、不動産の評価額を高く査定してくれる不動産会社ほど魅力的に映るといえます。そのため、不動産会社も自分たちが選ばれやすいように、本来の評価額へ少し上乗せした金額を不動産一括査定サイトへ提示しているかも知れません。
不動産一括査定サイトに登録している不動産会社は、あくまでも営業機会を拡大することが目的だと考えられます。そのため、不動産一括査定サイトで案内された評価額は、必ずしも実際の取引時に不動産会社が提示する評価額とは同じでないと理解しておきましょう。
不動産一括査定サイトを利用する意義は、多くの不動産会社による評価額を比較検討できるということです。そのため、登録されている不動産会社が少なかったり、得られる評価額の数が限られていたりする場合、そもそも不動産一括査定サイトを利用する価値が高くありません。
どれくらいの数の不動産会社へ査定を依頼できるかといった点は、必ずサイトを利用する前に確認しておきましょう。
不動産一括査定サイトで得られた評価額を比較検討することで、市場における物件の価値について目安となる金額を得ることが可能です。しかし、その金額には不動産会社の営業意図が反映されている可能性もあり、絶対的な評価額ではありません。
そのため、不動産一括査定サイトで得られた評価額や、それらを平均化して得られた目安額は、あくまでも遺産分割協議をスムーズに進める上で役立つ参考価格として扱いましょう。
不動産一括査定サイトの査定依頼代行サービスは、無料で利用できて便利なサービスである反面、万人が信頼できる不動産査定の適正価格を得られるものではありません。
不動産一括査定サイトで得られた参考価格によって、遺産分割協議が滞りなく完了すれば良いでしょうが、それだけで相続人の全員が納得しないケースも少なくないでしょう。
そのため、不動産一括査定サイトで提示された評価額を絶対視するのでなく、問題が悪化する前に不動産鑑定士や不動産相続に詳しい弁護士といった専門家へ依頼することも大切です。
不動産一括査定サイトを利用して遺産分割協議もスムーズにまとめられたとしても、その後に改めて相続人から評価額が信頼に値するものでなかったとクレームが出たり、代償金を請求されたりするリスクがあります。
また、金額的には同意を得られたとしても、家族間や親族間で遺恨が生じてしまうかも知れません。
当然ながら、もしも訴訟問題にまで発展した場合、不動産一括査定サイトを使っての解決はできません。そのため、遺産分割協議が複雑化しそうであれば、最初から不動産相続に詳しい弁護士のような専門家へ相談して適切にサポートしてもらうことが重要です。
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