二次相続

被相続人(父)から相続することを一次相続と呼びますが、誰しも状況によっては2回相続することもあります。ここで紹介する二次相続は、2回相続するケースを指すので確認してみてください。

二次相続は被相続人の配偶者から相続を受ける状況を指す

二次相続とは2回目の相続で、被相続人の配偶者(子から見て母)が亡くなった際に相続したのち、被相続人(父)も無くなった場合などを指します。

以下に、一次相続と二次相続の流れを分かりやすくまとめました。

例:父母と子2人の家族構成

少々ややこしい仕組みですが、言い方を変えれば、親と一緒に考える相続が一次相続。子どもたちだけで相続を考えなければいけないのが、二次相続といえるでしょう。

いずれにせよ、両親ともに揃ったご家庭の場合は、二次相続も含めて相続手続きや割合・相続税について考える機会が二度来る可能性があるのです。

一般的に相続問題と聞くと、ドラマや映画の中だけの話だと感じてしまう方も多いのではないでしょうか。しかし、遺産相続のトラブルが起きなかったとしても、相続自体は誰にでも機会がある出来事です。

一次相続や二次相続を含め、後々のことまで考えておかなければ相続税や手続きで痛い目を見てしまいます。二次相続は、一次相続でトラブルを抱えなかったとしても、後から困ってしまう原因の1つです。

二次相続について特に考えるべき方とは

一次相続は誰しも相続対策を施したり、相続登記の準備をしたりするかと思います。しかし、二次相続まで想定するケースは少なく、人によっては全く考えていなかった・二次相続自体知らなかったといったこともあるでしょう。

二次相続も一次相続と同様に対策すべき現象ですが、特に考えておくべきご家庭も存在します。たとえば、以下のケースに該当する場合は、特に二次相続について対策や税負担の準備をしておくべきです。

たとえば配偶者の資産内訳が、被相続人から受け取った資産に加えて、配偶者自身で別途資産を構築していたとします。このような場合、全ての資産が相続税評価の対象となり、税負担が増えやすい状況となります。

また、現実は夫婦・子のうちだれが亡くなり、どのような形で相続が始まるか分かりません。二次相続は不確定要素の多い現象だということを理解しておきましょう。

なぜ二次相続対策が必要なのか

一次相続には配偶者控除や基礎控除などを活用して、税負担をある程度抑えることも可能です。しかし、二次相続の場合は、トータル納税額が変わりやすかったり減税制度を利用できなかったりと、工夫しなければ負担増につながります。

そのため、ここで紹介する二次相続対策の必要性を確認し、関係のある方は今から準備を始めるのがおすすめです。

分割の仕方でトータルの納税額が変わるため

二次相続で負担しなければいけない相続税は、一次相続を含めた遺産分割の方法によって大きく変わります。

そのため二次相続を深く考えず、何となく一次相続を計画してしまうと控除も活用できず子に大きな納税負担を強いてしまう可能性があります。

二次相続で子への負担を少しでも抑えるためには、父母・子の家族で分割方法や各相続人が受け取る資産の種類、二次相続時に起こり得る負担も話し合うのが大切です。

二次相続では配偶者の税額軽減が使えない

相続に関する減税制度の1つとして、配偶者の税額軽減措置があります。配偶者の税額軽減とは、配偶者が被相続人から相続を受けた際、法定相続分以下もしくは1億6,000万円以下の場合について、相続税非課税となる制度です。

節税効果の大きい制度ですが、二次相続の際は使用できないというデメリットもあります。また、配偶者の税額軽減によって多くの遺産を配偶者が相続しても、二次相続時に子の税負担を大きくしてしまうリスクもあるでしょう。

二次相続は、一次相続時とは状況が異なる点に注意が必要です。

相続人の1人(配偶者への相続)が減ることで課税額が上がる

一次相続の場合は、配偶者への分割相続もあるので各法定相続人の課税額を分散できます。しかし、二次相続の場合は、相続人が1人減るため課税額は上がりやすい傾向です。

二次相続で受ける税負担は大きいものと考え、被相続人が二次相続を含めた相続額や相続税を計算しておきましょう。そして、どのような分割方法を行えば、1人あたりの相続税をどの程度節税できるか対策を考えます。

一次相続と二次相続の簡単なシミュレーション

ここでは一次相続と二次相続の流れと、税負担などについてシミュレーションしてみます。

一次相続と二次相続例

父母と子2人仮定して、一次相続と二次相続の流れや相続税までシミュレーションします。

一次相続

そして相続税の計算ですが、相続税評価額を基礎控除と法定相続人を足した控除額4,800円で差し引きます。

続いて二次相続もシミュレーションします。

二次相続

配偶者が亡くなった場合は、以下の流れ・計算で相続税を算出します。

そして、配偶者が相続した財産5,000万円と、元々保有していた財産1億円を含めて以下の計算を行います。

配偶者が元々保有していて資産も含めるため、上記のように一次相続よりも負担が大きくなるケースもあります。

二次相続の対策方法

ここからは二次相続の対策方法を、いくつか紹介します。資産の切り替えや一次相続の工夫など、さまざまな対策があるので確認してみましょう。

一次相続で子どもにも相続する

人によっては、一次相続で配偶者へ100%相続させるケースもあるでしょう。もちろん各家庭によって節税以外の事情もあると思います。

ただ、二次相続で子の負担する税金を少しても抑えたい場合は、一次相続の段階で子にも相続させるのが大切です。

以下に、一次相続時の相続割合と二次相続で負担する相続税をシミュレーションします。また、配偶者は減税軽減を利用しているとします。

子も一部相続することで、総額の相続税を抑えることが可能です。

配偶者が相続した現金を不動産に転換して二次相続

子への負担を減らすためには、一次相続の段階で子へ不動産を相続させるのも対策方法の1つです。

たとえば二世帯住宅を建てて子と一緒に住んだ場合、小規模宅地等の特例を受けられるので二次相続での負担を抑えられます。

小規模宅地等の特例とは、住宅や事業などで使用している土地の評価額を下げ、本来の評価額から最大80%の減額を行える制度です。そして二世帯住宅は、2014年以降小規模宅地等の特例に該当するので、節税効果を期待できます。

暦年贈与を活用する

暦年贈与とは、暦年(1月1日~12月31日)に生前贈与を受け、なおかつ毎年少しずつ財産を引き継げる制度です。

非課税枠は1暦年につき110万円ですので、子へ非課税額以下で贈与を行えば節税にもつながります。ただし、相続予定の財産が大きい程、贈与が完了するまで時間もかかります。

他にも贈与契約書の作成など手間のかかる作業もあり、専門家に依頼するのがおすすめです。

相続が10年以内に連続した場合は控除できる

相続が10年以内に連続した場合は、相続税を控除できる相次相続控除を利用できます。具体的な条件は、一次相続から二次相続までの期間が10年以内であることです。

相続の負担が連続している場合は、専門家へ相談しながら控除してみることもおすすめです。

まとめ

相続は、遺産を引き継げるものの相続登記や手続きにかかる費用負担に加えて、相続税の納税もしなければいけません。

また、不動産など現金以外も相続する場合は、複雑な相続税の計算となるため、個人では難しいところです。

相続税の計算や登記手続きなど、相続にあらゆる疑問点は税理士へ相談しましょう。

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このページの監修
東京スカイ法律事務所

東京スカイ法律事務所公式HP

引用元:東京スカイ法律事務所公式HP
(http://www.tsky.jp/)

このサイトは「東京スカイ法律事務所」の田中健太郎弁護士に監修していただいています。同氏は弁護士と行政書士、両方の資格を所持し、弁護士になる前は司法書士として活躍していたという経歴の持ち主。不動産相続に関する豊富な知識と実績を持つ弁護士です。
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