不動産相続の疑問やお悩みについて、徹底解説
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不動産相続する予定の土地に埋蔵文化財が埋まっているかもしれない。普段生活している際はなかなか考えもしないことですが、実際に不動産相続に関連して生じうる問題です。
相続する土地に埋蔵文化財が埋まっている可能性がある場合、どのような影響を受けるのでしょうか?そもそも埋蔵文化財とは何でしょうか?埋蔵文化財のある土地を不動産相続する際の注意点をご紹介します。
埋蔵文化財について、普段耳にすることはあまりないかもしれません。埋蔵文化財とは、地中に埋まっている土器やはにわなどの文化財のことです。埋蔵文化財包蔵地という言葉もあり、土器やはにわなどの文化財が埋まっている土地を指します。
縄文時代に集落があった場所など、現在でも地域単位で埋蔵文化財包蔵地に指定されているエリアもあります。実際に出土品が多く見つかっているエリアに住んでいる方なら、自分の土地からも出土品が見つかるかもしれない、と思っているかもしれません。
不動産相続する予定の土地に文化財が埋まっている可能性がある場合、相続税を計算する際に土地の評価額を下げることができます。土地の評価額が下がると、納める相続税の金額も下がるので、節税対策として大きなメリットがあるでしょう。
埋蔵文化財のある土地の評価額を下げることができるのは、文化財の調査費用にお金がかかるからです。調査費用は土地所有者が負担しなければなりません。その負担を減らすために、土地の評価額の一部を下げることができるようになっています。
具体的には、埋蔵文化財のある土地の評価額を計算するときは、調査費用の80%分の金額を引いて計算できます。たとえば、3,000万円の土地を相続する場合のケースを考えてみましょう。文化財の調査費用に500万円かかるとしたらどうなるでしょうか?500万円の80%である400万円を引いて計算できるので、土地の評価額は2,600万円になります。
相続税の税率を30%とした場合、どれくらいの節税効果があるでしょうか。差額の400万円の30%である120万円を支払わなくてよくなります。
埋蔵文化財のある土地では土地の評価額を下げられるというメリットがありますが、同時に追加の調査や手続きが必要になるというデメリットもあります。不動産相続した土地にすぐに建物を建てたいと思うかもしれません。また、今建っている建物を壊してほかの建物を建てたいと思うこともあるでしょう。
しかし、埋蔵文化財が埋まっている土地では、勝手に土地を掘り起こすことはできません。関係する省庁や自治体の部門に届け出をする必要があります。そのように届け出や調査を行うので、建築の着工自体が遅れることが多いです。
なかには、調査や発掘にかかわる手続きが煩わしく、土地を深く掘る工事を断念する方もいます。そのような場合は埋蔵文化財のある土地を駐車場などにして利用できるかもしれません。
また、不動産相続の節税を考える場合、相続税の支払い期限に間に合うように手続きを進める必要があります。ほかに相続する遺産がある場合、すべてをもれなく計算し納税しなければなりません。自分ひとりで行おうとすると、大変な作業になるでしょう。
埋蔵文化財のある土地を相続する際に、節税効果を得るためには条件があります。それぞれの条件をクリアしないと、土地評価額を下げて節税できません。
まず、土地の条件として、相続をする段階で相続する土地に埋蔵文化財があることが確定していることです。すでに埋蔵文化財包蔵地として指定されている土地や、土地のオーナーが以前に調査を依頼して埋蔵文化財があると指定された土地が含まれます。
埋蔵文化財があるかもしれないが、確定はできていないという場合、まずは行政に相談して調査をしてもらいましょう。その結果埋蔵文化財包蔵地として認められると、本格的な発掘調査へ移行できます。
控除できる発掘調査費用については、相続する時点で未払いであることが条件です。つまり、相続する方が発掘調査費用を実際に負担するので、その額の80%を評価額から控除できます。相続前に料金が支払わられている場合は、控除の計算に含めることはできないので注意してください。
節税効果のある埋蔵文化財包蔵地ですが、不動産相続に関係する手続きは複雑です。不動産相続する場合、不動産相続や相続税のプロに相談するのがいいでしょう。また、その際に埋蔵文化財の土地に詳しい専門家を探すこともおすすめです。
相続税に詳しい専門家でも、埋蔵文化財についてはなじみがないかもしれません。専門家に問い合わせる段階で、文化財が埋まっている可能性があることを伝えましょう。埋蔵文化財に詳しい専門家を選び、相続する土地や資産を守れます。
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