不動産相続の疑問やお悩みについて、徹底解説
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このページでは、不動産の相続に関してどのような費用が発生するのか、費用の種類や試算法などを詳しく解説していますのでぜひ参考にしてください。
相続人が住宅や土地などの不動産を相続する場合、単に物件を受け取るだけでなく、相続登記など必要な手続きを行わなければならず、印紙その他の費用がかかります。また、司法書士などの専門家へ依頼した場合、相応の手数料も生じます。
なお、不動産登記や相続登記は専門家へ依頼せず自分で行うことも可能です。しかし、相続不動産の評価や手続きなど最低限依頼しないといけない項目・費用があり、相続数が増えるほどに手間や費用が増えていきます。
まずはどのような費用がかかるのかについて理解した上で、適正なコストバランスを検討していくようにしましょう。
不動産登記を完了するには、まず相続不動産を評価しなければなりません。そして、不動産の評価には以下のような書類が必要になり、それぞれを取得費用が発生します。
名寄帳とは、故人(被相続人)が所有していた不動産について、全体像を把握するために必要な書類です。
名寄帳には被相続人名義の不動産がリストアップされており、名寄帳を見ればどのような不動産が相続対象になっているのかを確認できます。
名寄帳の取得には市町村の役所で担当課(資産税課など)へ申請し、所定の費用を支払えば受領できます。なお一般的に名寄帳の取得費用は、1通あたり300円程度が一般的な相場です。
固定資産評価証明書は通常「評価証明」と呼ばれる書類で、不動産の評価額や登録免許税額を計算するために不可欠な書類です。固定資産評価証明書は、相続登記を完了するために法務局へ提出する必要があります。
固定資産評価証明書には、不動産の評価額が記載されており、その金額は不動産価値の目安として利用できます(固定資産税や登録免許税といった税額も、固定資産評価証明書の内容を基準として決定)。固定資産評価証明書を取得しなければ、不動産を相続できません。
なお、被相続人が複数の不動産を所有していた場合、全ての不動産に関してそれぞれの固定資産評価証明書を取得する必要があります。
固定資産評価証明書の取得は、不動産が存在する市町村役場での申請が必要。取得費用は自治体によって異なるものの、一般的には数百円程度が相場です。
登記事項証明書は、不動産の所在地や面積、所有者の名義や抵当権の内容などを確認するために用います。
不動産の登記内容を証明する上で不可欠な書類で、取得先は不動産の所在地を管轄する法務局となっています。また、取得費用は不動産1件ごとに発生し、1件あたり600円(書面請求)です。
支払いは法務局で必要な印紙を購入するのが一般的でしょう。ただし、オンラインで登記事項証明書の取得請求を行った場合、窓口で書面請求するよりも費用が100~120円ほど安くなることも。そのため、物件数の数が多くなる場合、オンラインでの申請を検討するのをおすすめします。
上記の他にも被相続人との関係を証明する書類や、相続人の一覧を証明するための書類などを必要に応じて提出しなければなりません。
例えば被相続人との関係を示す資料としては、戸籍謄本が一般的でしょう。本籍地の市町村役場で取得可能。なお、被相続人について住民票の除票を行う費用も必要です。
相続人が複数いる場合、それぞれが被相続人との関係を示すことが必要です。そのため、相続人全員の戸籍謄本を用意します。
なお、戸籍謄本は相続人が死亡した日よりも後に発行されたものを用意してください。その他、相続人全員の印鑑証明や実際に不動産を相続した人の住民票なども必要です。
戸籍謄本は本籍地の市町村役場で取得しますが、本籍地の役場まで出向かずとも郵送によって取り寄せられます。その場合、それぞれの取り寄せにおいて郵送費が発生します。
また、配達エリアによって郵送費に変動が生じるため、実際の総額はそれぞれの問合せ時に確認するようにすると良いでしょう。
相続した不動産を登記することを相続登記と言います。
相続登記は必要書類をそろえた上で法務局へ申請しますが、その際に必要な金額を「登録免許税」として支払わなければなりません。その額は次のような計算に基づきます。
登録免許税の金額は、固定資産評価証明書へ記載されている「固定資産税評価額の0.4%」になります。そのため、金額の確定に先だって固定資産評価証明書を取得しておくことが必要です。
固定資産評価証明書に記載されている固定資産税評価額は、路線価や交通網などの諸事情をベースとして算出される公示価格に、およそ7割を乗算して決められています。
公示価格や固定資産税評価額の見直しは一定期間ごとに行われます。不動産登記や登録免許税、固定資産税の計算などに固定資産評価証明書を利用する場合、必ず最新の情報が掲載されている書類を取り寄せるようにしてください。
例えば相続登記の手続き代行を依頼する場合、一般的に依頼先は司法書士が挙げられます。
司法書士へ相続登記を依頼した場合、司法書士報酬はおよそ6万~10万円程度とされていますが、実際にどの程度の金額を報酬として支払うのかは司法書士が自由に設定できます。不動産の件数や相続人の数によって異なる場合もあり、具体的な金額はそれぞれの司法書士へ問い合わせて確認しましょう。
弁護士に依頼するかどうか未定だけど調整が難しそうといった場合は、弁護士と連携する司法書士または両方が在籍する事務所に依頼するとスムーズです。
不動産相続に関して相続人との間でトラブルを抱えている場合、費用がさらに高まる可能性があり、裁判になった場合は弁護士が最初から調査をやりなおすこともあります。
司法書士費用を検討する際には、相見積もりを取って比較するのがおすすめです。信頼できる司法書士が見つからない場合、物件の査定やトラブルに関して相談した不動産会社や弁護士に提携先を紹介してもらうのも良い手。出費がかさむ相続手続きで、コスト調整できる部分はそう多くはありませんので、費用対効果を考えて依頼しましょう。
司法書士から取得した見積書では、報酬額だけでなく、登録免許税や印紙税といった公的なコストが合わせて記載されています。司法書士への報酬は消費税の課税対象となりますが、登録免許税・印紙税などについては消費税が非課税なので、それぞれを分けて確認するようにしてください。
登録免許税や印紙税といった公的な費用については、全ての手続きを自分自身で行っても発生します。そのため、司法書士などの専門家へ依頼しない場合でも、見積書の金額がそのまま削減できるとは限らない点に注意してください。
不動産を相続後には固定資産税や都市計画税、物件によって運営管理費といったコストが発生します。
もし相続不動産を物件として相続するか、現金化して相続人同士で分割するか迷っている場合は、弁護士や司法書士といった専門家に相談しながら長期的に発生する費用も含めて判断」するようにしましょう。
現在の住宅から相続した不動産へ住み替える場合、引越後に現在の住宅を売却して現金化する人も多いでしょう。
不動産会社への査定依頼は、個々の不動産会社や一括査定サービスの利用など複数の手段があります。一般的に不動産の査定は無料なことが少なくありませんが、重要な点は必ず複数社において見積もりを依頼するということ。査定額が高くてもその分仲介手数料が高く設定されていることがあり、売却後の利益に影響します。
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