アパート相続

アパートを相続する際気をつけるべきことや、アパートの相続事例を紹介します。

アパート相続で気をつけるべきこと

不動産を相続する場合、被相続人から相続人への不動産名義変更手続きが必要です。

アパートはすぐ名義変更を行うべき

相続人への名義変更は法律上期限が設けられていません。

アパート相続をする場合は名義変更を素早く行う必要があります。相続人は大家となってアパート経営をすることになりますが、アパートの名義が被相続人のままだと、アパートを経営することも売ることもできなるためです。

アパートの築年数をチェックして相続するか売却するか判断する

不動産名義変更の他には、築年数が問題となってきます。

築20年を超えると、賃貸料の他に修繕費用が嵩み、経営の重荷になることが考えられます。築20年以上のアパートを経営する場合は、よほどの好条件な立地でない限り経営状態を打開するというのは難しいようです。十分な収益が出ない状態では長年わたり赤字を垂れ流す結果になりかねません。

アパートを売却した方が良い場合もありますが、相続後すぐ売却すると税務署に租税回避行為とみなされる可能性が高くなります。その結果、罰金と追徴課税を課される危険性があるのです。相続したアパートは一般的に言われている税務調査期間「3年プラス1年の計4年間」保有して売却に動き出すようにしましょう。4年間の間にも修繕費用などが掛かることを念頭に、アパート相続で収入がマイナスにならないようにしましょう。

アパート相続の相続事例

父が経営していたアパートの名義を共有名義にした事例

遺産相続では現金を分割して、兄弟全員の協議は終わったと思い込んでいました。不動産の名義人はどれくらいの分割にするかは、あまり話し合わずに共有名義として登録していました。

ところが、ある日三男が自分の持つ土地の共有部分だけ売却したいと言い出しました。その結果、実家とアパートの共有名義を曖昧にしていたために三男との争いが起きてしまいました。具体的には、所有しているアパートを分割するのか、それとも実家を売却するのかで揉めています。すでに土地の所有者の名義を共有名義変更していたので、相続は完了したと思い込んでいました。想定外のトラブルにどうしたらいいか困り果てています。

アパートと一緒に借金も相続した事例

父が所有していたアパートは相続人が3人いたので、分割協議をして共同名義としました。借金の相続をしていたことまでは確認していましたが、債権者の登記をすっかり忘れていました。現在債権者の方と話合いを進めていますが、相続人の一人がすでに手続きは済ませたから関係ないと言いだし、債権者の方に迷惑をかけている状況です。

債権者との間に無駄な争いを起さずに円滑にアパートを売却したいこところですが、相続したアパートを共同名義にしたことを後悔しています。

弁護士に依頼しよう

アパート相続に限らず、不動産相続では名義変更の期限は決められていません。多くの人が名義人変更は後回しにすればいいという認識のようですが、後回したがために、忘れた頃にトラブルになる事が多いようです。こういった場合弁護士へ相談することによりトラブルを素早く解決をすることが可能です。

不動産の相続、弁護士に依頼すべき理由について詳しく見る>>

アパートの相続税について知っておこう

被相続人が所有していた投資用のアパートを相続した場合、そのアパートの価値はどのように評価され、どのような税金がかかってくるのでしょうか。

ここではまず、アパートの評価方法やかかってくる税金について詳しくご説明したうえで、「相続したアパートをどうするか」のにどのような選択肢があるのか、その選択肢の判断ポイントはどこか、といったことについても解説していきます。

アパートの評価方法

アパートの評価方法は、土地と建物でそれぞれ異なります。

まず、土地の評価額は、一般的には国税庁が公表している路線価(路線=道路に面する標準的な宅地1㎡あたりの価格)に基づいて「路線価× 宅地面積(㎡)」という計算式を用いますが、アパートの土地は「賃貸物件に使用されている土地=貸家建付地」として取り扱われ、土地評価額の減額制度を適用することができます。

アパートの土地には「借地権割合」と「借家権割合」の2つの減額措置があり、借地権割合は地域ごとに異なります(路線価図に記載されています)が、借家権割合は30%と定められています。これらの減額措置を含めた計算式は「前述の計算式で出した土地評価額 ×(1-借地権割合×借家権割合(0.3)×賃貸割合 )」となります。

建物の評価については、こちらも一般的には「固定資産税評価額=建物評価額」とされますが、アパートには借家権割合の減額措置が適用されるため、「固定資産税評価額×( 1-借家権割合(0.3)×賃貸割合 )」がアパートの建物評価額の計算式となります。

税金とその控除について

アパート相続時にかかってくる税金として挙げられるのは、登録免許税および相続税です。

登録免許税とは、相続したアパートの名義人を被相続人(故人)から相続人に変更するための相続登記に必要な税金で、その計算式は「固定資産税評価額×0.4%」となります。

次に相続税ですが、この相続税には「基礎控除額」があり。アパートを含めた相続財産がその基礎控除額の範囲内でおさまっている状態であれば、相続税の申告・納税の必要はありません。

基礎控除額は「3,000万円+(600万円×法定相続人の数)」で、たとえば相続人が3人の場合は、3,000万円+(600万円×3人)=4,800万円が基礎控除額となります。

また、たとえこの基礎控除額を超えてしまったとしても、相続したアパートが「相続した時点で3年超のアパート経営実績がある」という状態であれば、そのアパートに「小規模宅地等の課税価格の計算の特例」が適用され、評価額が大幅に減額されます。

あと、被相続人の配偶者がアパートを相続した場合は「配偶者の税額軽減」が適用され、相続額が「1億6,000万円または法定相続分のどちらか多い方」まで相続税がかからないという、非常に大きな相続税軽減措置を受けることができます。

相続後の選択肢は?

相続したアパートをどのようにするか、という選択肢としては

の2点が挙げられますが、どちらを選ぶにしても注意が必要です。

まず、アパート経営を続けるという場合は、今後の空室リスクを考える必要があります。

築年数が古くなればなるほど空室リスクは高まるので、古い物件でアパート経営を続けるとなると、大規模リフォームやリノベーションが必要になってきますが、そうした多額の費用をかけてまでアパート経営を続ける価値があるかどうかを慎重に考えることも大切です。

「今後の空室リスクの高まり、リフォーム等にお金をかけられないことなどを考えると売却を選んだほうが得策」と考えた場合も、すぐに売却すると相続税を逃れるための租税回避行為をしたとみなされて追徴課税をされてしまう可能性が高いです。

このリスクを回避するためには、相続から4年ほど経過してからの売却をすることが大切です。逆にいえば「たとえ売却予定のアパートであっても、相続後4年以内に売却すると追徴課税されるリスクがあるので売却できないと考えるべき」ということです。

アパートをトラブル無く相続する方法

アパートを相続する場合、相続人が複数いると家族間でトラブルが起きやすくなります。特に起きやすいトラブルは共有名義で相続したケース。アパートのように分割しづらい遺産に多くあります。

以下にアパートを共有名義にするとどうなるか調べてまとめました。ぜひ、参考にしてください。

共有名義は曖昧になりやすい

遺産相続の際に現金分割は明確にしてもアパートなど不動産については共有名義で分割を曖昧にしてしまうケースが多くあります。

この場合、どのようなトラブルが起きるかといえば、相続人の一人が自分の持分だけ売却したいと言い出した時にアパートをどのように分割するか、他の遺産を売却して代わりにするなどの揉め事です。

共有名義のデメリットがトラブルの元

遺産相続でアパートを共有名義にするのはメリットとデメリットがあります。共有名義にすると名義人の一人が亡くなって相続が発生した場合に、その人の持ち分のみが課税対象になるため、相続人は相続税を節税できるメリットがあります。

しかし、共有名義では全員が同意しないと売却しにくいデメリットがあります。また共有名義人の一人が死亡してさらに相続すると名義人が増えていき複雑になり、よりトラブルが発生しやすくなります。

アパート相続でトラブルを起こさないためには

アパート相続はできるだけシンプルに一人で相続するのがおすすめ。他の遺産で公平にするなどで話し合うといいでしょう。他に遺産がなくどうしても共有名義で相続する場合は、今後の方針についてしっかり話し合うこと、常日頃コミュニケーションをしっかりとることです。

全員に売却の意思がある場合、相続すれば売却が可能です。ただし、相続後すぐの売却は罰金や追徴課税のリスクがあるため、それまではアパートを保有する必要があります。その間にかかる経費や運営については相続人全員でしっかり話し合って起きましょう。

アパートの相続税を抑える方法

借入金を増やす(マイナスの財産を増やす)

借入金を増やすことで資産と負債が相殺され、相続税を抑えられます。相続が発生するとプラスの財産であるアパートと一緒に、マイナスの資産である借入金も相続するためです。被相続人が生前にアパートのリフォーム費用として借入を行うことで、相続税評価額を下げられます。また借入を行えば手持ちの現金が減らず、納税資金を残せるのもメリットです。ただし借入金の額によっては次の世代に負担をかけるので注意が必要です。

賃貸割合を上げる(評価額を下げる)

賃貸割合を上げるとアパートの所有者が使える部分が減少し、相続税評価額が下がります。賃貸割合は相続時の状態で判断されるため、できるだけ空室を減らしておくことが大切です。土地の評価額は「更地の評価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)」で計算され、貸家の評価額は「固定資産税評価額×(1-借家権割合×賃貸割合)」で計算されます。この計算式から賃貸割合が高いほど、土地と貸家の評価額が下がり、節税できることがわかります。

アパート相続に欠かせない必要書類と資料

アパートを相続するときは手続きをしなければなりませんが、その際に必要な書類や用意すべき資料というのがあります。また、必要なものは、財産を相続される側の被相続人と、財産を相続する側の相続人で、それぞれ用意するものが異なるので注意が必要です以下にリストアップしてみましたので、確認してみてください。

被相続人の書類・資料

相続人の書類・資料

アパート相続の流れ

アパートを相続するときの手続きの流れは、以下の手順で行われます。

  1. 相続財産の把握
  2. 遺産分割協議
  3. 登記申請

それぞれの概要とポイントを紹介していきますので、確認してみてください。

1.相続財産の把握

相続財産の把握とは、被相続人の死亡により相続が発生した場合に、相続対象の財産状況を調べて把握すること。調査する理由は、財産状況を把握することにより、相続財産を取得すべきか否かを判断するためです。

調査の結果、資産が負債を上回る場合は、相続財産を取得したほうがいいでしょう。一方、負債が資産を上回る場合は、相続により借金を抱えてしまう可能性があるので、「相続放棄」を選択も可能です。

ただし、相続放棄を行う場合、原則として相続発生から3ヶ月以内に手続きを行う必要があります。詳しくは司法書士事務所に問い合わせてみましょう。

2.遺産分割協議

遺産分割協議とは、相続人が複数いる場合、相続人全員で話し合って遺産の分け方を決める協議のことです。遺産分割は基本的に、遺言がある場合はこれにしたがって分割し、遺言がない場合は民法に規定された相続分の割合に従って決めるのが通例です。

しかし、相続人全員が合意すれば、遺言や民放の規定に関係なく、独自の方法で遺産の分割方法を決めることができます。この分割方法について話し合うのが遺産分割協議です。

遺産分割協議は相続人全員が合意することで初めて有効となり、一人でも合意しない者がいれば無効となります。また、行方不明者や隠し子を除いて協議を行った場合も無効です。協議の期限はありませんが、必要書類の準備も含めて1ヶ月程度は要します。

また、遺産分割協議は必ずしも円満に行くとは限らず、相続人同士が激しく対立する可能性もあるので、前もって弁護士に調停の依頼を考えておく必要があるでしょう。話し合いが成立し合意に至ったら、遺産分割協議書を作成し、相続人全員が署名・実印で押印します。こうして遺産分割協議書は法的効力を持つようになり、協議書の内容に基づいて遺産分割が可能になります。

3.登記申請

登記申請とは、法務局の登記所にて、アパートの名義変更を申請することです。遺産分割協議におけるアパート相続人の決定後、被相続人、相続人それぞれの必要書類を用意して申請を行い、名義変更手続きを完了させます。自身で申請することも司法書士に代行を依頼することも可能です。

自分で行う場合は司法書士への報酬を払わなくて済みますが、登記手数料(登録免許税)を納めなければなりません。司法書士に申請代行を依頼する場合は、登記手数料に加えて司法書士への報酬が10万円程度かかります。

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このページの監修
東京スカイ法律事務所

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引用元:東京スカイ法律事務所公式HP
(https://www.tsky.jp/)

このサイトは「東京スカイ法律事務所」の田中健太郎弁護士に監修していただいています。同氏は弁護士と行政書士、両方の資格を所持し、弁護士になる前は司法書士として活躍していたという経歴の持ち主。不動産相続に関する豊富な知識と実績を持つ弁護士です。
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