相続に関する用語集

このカテゴリーでは、相続に関して予め知っておきたい専門用語を取り上げ、解説とともに注意点なども紹介しています。

予め知っておきたい、相続の専門用語

相続は、一生のうちでそうそう頻繁に経験することではないので、普段はさほど知識はお持ちでない方が大半でしょう。そこで、いざという時に慌てないよう、予め知っておきたい専門用語を紹介します。ぜひ知識を深めてお役立てください。

法定相続人と相続分

「法定相続人」とは文字通り、法律によって定められた、被相続人の財産法上の地位を相続によって承継する人のこと。被相続人(お亡くなりになった方)との間柄によって決まり、その間柄によって遺産の取り分も法律によって規定されています。それが「相続分」になります。

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相続欠格と廃除

法定相続人には遺産の取り分が認められていますが、被相続人に対し犯罪行為をした等の場合、その相続人としての資格が剥奪されます。これが「相続欠格」です。また、この相続欠格ほどではないにしても、被相続人に多額の借金を肩代わりさせたこと等を理由に、被相続人の意思によって相続人の資格を無くす行為が「相続廃除」という手続きになります。

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遺産分割協議

相続人資格のある親子や兄弟間で、遺産をどのように分けるかを全員で話し合うことが「遺産分割協議」です。その内容を書面にまとめたものが「遺産分割協議書」です。言葉だけで見るとさほど難しくないように思えますが、注意点や考慮すべき点は沢山あります。

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相続放棄

相続放棄とは、被相続人の財産で、プラスの財産が多かろうが、マイナスの財産が多かろうが関係なく、一切の相続を放棄することです。相続放棄をすると、この法定相続人は初めから法定相続人ではなかったとみなされます。

端的に言えば、プラスの財産もマイナスの財産も、相続人として引き継がなくても良いとする仕組みのことです。相続争いに巻き込まれたくない場合に、相続放棄を選択される方もいます。

相続放棄をする場合は、相続人が「自己のために相続が開始したことを知った時(多くの場合は被相続人が亡くなったのを知った時)」から3ヶ月以内に、家庭裁判所に相続放棄申述書を提出する必要があります。期限内に行わなかった場合は、単純承認したとみなされますので、注意が必要です。

当事者だけで行うことも可能ですが、確実に実施するには弁護士などその道の専門家にサポートを依頼するのが賢明です。

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限定承認

簡単に言えば「被相続人に財産と借金の両方がある場合に、借金の返済については相続財産の範囲で返済すれば良いこととする制度です。

ただし、限定承認の手続きには相続人全員が共同して行うなど、大きな手間がかかり、当事者だけで行うのはかなり困難です。限定承認も3ヶ月以内に家庭裁判所への申述が必要です。弁護士などその道の専門家にサポートを依頼するのが賢明です。

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配偶者居住権

配偶者居住権とは、被相続人が自宅を持っており、その自宅に配偶者が生活している、という条件のときに、配偶者が自宅に住み続けるために利用することが可能になる制度です。2018年7月の法改正によって制定されました。

自宅の価値を「配偶者居住権」と「所有権」に分割することで、相続分を減らし、配偶者が自宅に住み続けながら、預貯金などの自宅以外の遺産を相続しやすくするための制度です。また、自宅を相続しない場合でも、被相続人の死後6か月間、または遺産分割が正式に終了するまで自宅に無償で済み続けることができる「配偶者短期居住権」もあります。

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現物分割

数ある遺産相続方法の中でも、最も単純だと言われている「現物分割」。

遺産をそのままの形で分けますから、被相続人が死亡してからすぐに行うことができるといったメリットがあります。しかし、現物分割は限られたケースでのみ適用されるといったデメリットもあるようです。

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代償分割

遺産相続の際、遺産の中には不動産が含まれることがあります。しかし、それが分けられない場合は「代償金」と呼ばれる金銭を支払って調整。当事者間の不公平をなくすのが「代償分割」です。

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共有分割

共有分割とは、相続財産を一部、あるいは全部を複数の相続人が共同で所有する方法のことを言います。また、遺産分割方法の順序として、一般的には現物分割→代償分割→換価分割→共有分割の順で行われ、共有分割は最後の手段とされています。

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遺留分減殺請求

遺留分侵害額請求と呼ばれるようになった制度で、相続人として受ける権利が認められている分の財産を請求できる仕組みです。被相続人が残した遺言書で、自分に遺産が割り当てられていない場合でも、遺留分減殺請求をすることで、最低限の財産を受け取ることができます。

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エンディングノート

終活でよく用いられるノートで、自分の死後遺族に伝えたいことを書くことができます。家族への感謝や葬儀の方法など、何でも自由に書けるのが特徴です。不動産相続に関する願いを書くこともできますが、法的な拘束力はありません。法的に確実な方法で財産の配分を決めたい場合、遺言書を書くのがいいでしょう。

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死因贈与

死因贈与とはひとつの契約です。自分の死後に特定の財産を贈与することを家族や友人と契約します。遺言書と違うのは、双方の同意が必要な点です。遺言書は相続放棄できますが、死因贈与は契約なので贈与を受ける側にも責任が発生します。

死因贈与は特定の方法が決まっていないので、口約束でも成立します。しかし、トラブルを避けるために、書面で契約書を交わすのがいいでしょう。

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小規模宅地等の特例

小規模宅地等の特例とは、一定の要件を満たした場合に土地の相続税評価額を最大80%割引できる特例制度です。この制度が適用できるか否かで相続税が一千万単位で変わることもあり、土地の相続税における節税効果は小さくありません。

但し、土地を相続しただけで小規模宅地等の特例が適用されるわけではなく、特例の対象となる土地や要件があります。特例の対象となる土地は、「特定居住用宅地等」「特定事業宅地等」「貸付事業用宅地等」。特例の要件は、適用面積と減額率があります。

被相続者の故人が老人ホームにいた場合については、以前の税制では特例が適用されないケースがありましたが、2013年にこの問題が修正され、税制改正により「要介護認定・要支援認定を受けている」「自宅を賃貸に出していない」「都道府県知事に届出をしていた」場合には、特例が適用されるようになりました。税制改正は毎年行われているので、注意して見ておく必要があるでしょう。

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連帯納付義務

日本国の相続税法では、連帯納付義務が定められています。連帯納付義務とは、複数の相続人がいた場合、一人でも納付をしない者があれば、その分を他の相続人が連帯で納付しなければならない義務のことです。自分が納付していても、納税が完了したことにならないルールなので、かなり厳しい規定になります。

仮に、すべての相続人の内、相続税を納付しない者があれば、他の相続人に強制的に納付させることも可能です。拒否しても、差し押さえができるなど法的な強制力を行使できるので、相続が発生した場合は、自分だけでなく他の相続人の納付状況を確認したほうがいいでしょう。

連帯納付義務に対しては、決定を不服として訴訟を起こすことも可能ですが、実例ではその多くが敗訴しています。

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みなし相続財産

みなし相続財産とは、民法上の相続財産ではないものの、相続税を算出する際に相続財産とみなして課税される財産のことです。典型的な例では、生命保険金等と死亡退職金等があります。

いずれも被相続人の所有財産ではなく、被相続人が亡くなったことにより相続人のものになる財産であり、民法上の財産ではありませんが、相続人が財産放棄せず相続するなら、その際に相続税が課税されます。生命保険等も死亡退職金等も非課税枠があり、いずれも「500万円×法定相続人の数」で算出される金額が非課税額です。

例えば、法定相続人が妻1人、子供2人の3人だった場合、非課税額は500万円×3人で1,500万円になります。そして生命保険金額が6,000万円なら、6,000万円から1,500万円を非課税額として控除し、残り4,500万円が相続税として課税されます。

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公正証書

公正証書とは、公証人が公証役場で作成する、法的拘束力のある書類のことです。内容は契約書や合意書ですが、一般的な書類とは異なり法的拘束力を持つため、後々のトラブルを回避するのに有効とされます。

公正証書はいかなる契約や合意でも作成できますが、一般的には不動産売買契約、不動産賃貸借契約、金銭消費貸借契約、遺言、不動産相続では「遺産分割協議書」を公正証書として作ることも行われています。

公正証書の作成には、当事者全員が同意の上、公証役場に出頭し、公証人により公正証書を作成しますが、その際、当事者全員の署名捺印が必要です。

遺産分割協議書を公正証書で作る場合は、相続人全員の同意や話し合いが必須であることはもちろん、デリケートな内容を含むケースが多々あるので、円滑に話を進めるためにも、手続き内容について事前に公証人に相談しましょう。

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二次相続

二次相続とは、一次相続の対象となった者(配偶者など)が亡くなった後、2回目に行われる相続のことです。

例えば、父・母・子供の家族関係の中で相続が行われる場合、父親が亡くなると、その配偶者である母親が相続人となり財産を一次相続しますが、母親が亡くなると、次は子供が母親の財産を相続することになります。これが二次相続です。

この二次相続は、一次相続以上に対策が必要になります。なぜなら、一次相続におけるの税源軽減のような優遇措置が行われないからです。一次相続では「配偶者の税額軽減」が認められており、申告して1億6,000万円もしくは配偶者の法定相続分相当額まで非課税となりますが、二次相続となる子供に配偶者の税額軽減はなく、一次相続の財産全額が課税対象になります。

従って、生前のうちに財産を相続人に贈与する「生前贈与」や、同じく生前対策として、配偶者の資産を減じておくなどの対策が必要です。

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成年後見人制度

成年後見人制度は、認知症や精神疾患など正常な判断能力を喪失した当人に代わって、成年後見人と呼ばれる特別な保護者を立て、本人に代わって財産相続に関わる取消権・代理権を行使できる制度です。

家庭裁判所の決定、又は任意後見により後見人を選任し、家庭裁判所に申し立ての上、認められた人間が成年後見人になれます。

無制限に選任できるわけではなく、後見人になる人物との間の続柄に制限があり、その範疇になければ成年後見にはなれません。続柄の制限とは、本人・配偶者・4親等内の親族・検察官・市長、村長など、となっています。

親族以外の方も後見人になれますが、重い責任を伴うため、事前にしっかりと考え、話し合ったうえで申し立てを行うべきでしょう。

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遺贈

被相続人が遺言によって財産を贈与することを、遺贈と呼びます。遺贈は相続とは異なり、法定相続人以外にも財産贈与できるのが特徴的です。遺贈を受ける人は、受遺者と呼ばれます。遺贈には包括遺贈と特定遺贈があり、包括遺贈は財産全体を遺贈すること、特定遺贈は土地や家屋など特定の資産を譲り渡すことです。

遺贈にはメリットとデメリットがあります。メリットは、法定相続人が遺贈を受ける場合、通常は相続の5倍かかる登録免許税が1,000分の4に抑えられること、デメリットは、法定相続人以外が遺贈を受ける場合、相続税額が2割加算されることです。

不動産の登録手続きで相続より時間と手間がかかり、スムーズでないのもデメリットでしょう。他にも遺贈では、遺言の内容や法定相続人の認識の違いなどによって、思わぬトラブルを招くこともあるので、遺贈者・相続人の双方が慎重に話し合いを進める必要があります。

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相続時精算課税制度

60歳以上の父母または祖父母から、20歳以上の子または孫への贈与が2,500万円までなら控除の対象となるのが相続時精算課税制度。2,500万円を超えた分は20%の課税になるなど、従来の暦年課税制度と比べて優位に見える点も多いです。しかしながら、どちらを利用するのが得になるのかは、想定している贈与額や相続税などもすべて含めて計算する必要があります。

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取得時効

ある一定の期間、他人の土地や建物を所有の意思を持って、平穏かつ公然と占有した場合、その建物や土地の所有権を取得できる「時効取得」。権利関係ではなく一定期間の事実状態を採用する考え方が根底にある制度ですが、時効取得には10年や20年という期間が必要になります。不法占拠の場合でも他人に自分の土地や建物の所有権を主張されてしまう可能性があるので、注意が必要です。

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共有名義

相続不動産の「共有名義」とは、特定の誰かが相続人として不動産を所有する単独名義でなく、相続人の全員や一部の複数人で不動産を共有することです。

相続不動産の共有名義には感情面や税制面でのメリットがある一方、実際に不動産を取り扱っていく上でのデメリットも多く、さらに将来的なトラブルを招くリスクもあります。

共有名義に関連した問題解決は素人だけでは困難なため、まずはどのような問題があるのか事前に把握しておきましょう。

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このページの監修
東京スカイ法律事務所

東京スカイ法律事務所公式HP

引用元:東京スカイ法律事務所公式HP
(https://www.tsky.jp/)

このサイトは「東京スカイ法律事務所」の田中健太郎弁護士に監修していただいています。同氏は弁護士と行政書士、両方の資格を所持し、弁護士になる前は司法書士として活躍していたという経歴の持ち主。不動産相続に関する豊富な知識と実績を持つ弁護士です。
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