セットバックの必要がある土地の相続

土地に家を建てるには建築基準法で定められた接道義務を守るために、セットバックを設ける必要があります。セットバックが適用された範囲の土地は通常評価額の30%相当額で評価されるのが一般的です。

この記事ではセットバックに関する基礎知識やセットバックが必要な条件、セットバック部分の土地評価額について解説しています。

そもそもセットバックとは?

セットバックとは、道路の幅を確保するために、元々の土地と道路の境界線から一定数後退させた部分のこと。セットバックを設けるのは、建築基準法第43条で「家を建てるための土地は、幅4m以上(地域によっては幅6m以上)の道路に2m以上接していなければならない」という接道義務が定められているためです。

接道義務は消防車のような大型の緊急車両が、現場に速やかに到着するために制定されています。しかし、昔ながらの民家が立ち並ぶ地域では、家と接する道路の幅が4m以下のところも少なくありません。このような土地では家を建て替える際に、敷地を後退させてセットバックを設ける必要があります。

セットバックが必要なケース

道幅が4m以下の道路に接した土地に新築する場合

道幅が4m以下の道路に接した土地に新しく家を建てる場合、セットバックが必要になります。これは建築基準法第43条で「家を建てる土地は幅4m以上の道路に2m以上接していなければならない」と決められているからです。また建築基準法第42条第2項により、道幅が4m以下の道路であっても、道路の中心線から水平距離2mの線を道路の境界線とみなせます。これによりセットバックを設けることで、建築基準法第43条を満たした家を建てられます。

道幅が4m以下の道路に接した土地にある家を建て替える場合

古い民家ではセットバックを設けておらず、幅員4m以下の道路に家が建っていることがあります。これは建築基準法第43条が制定される前に家を建築したため。そのため、家を建て替える際にセットバックを設ける必要があります。

セットバック部分の評価

セットバックの相続税評価

セットバック部分の相続税評価額は、セットバックを行う前と行った後で計算方法が異なります。セットバックを行う前の評価では、セットバックが適用される部分について、通常通りに計算した評価額から70%相当額の控除が可能です。

セットバックを行った後の評価では、私道として扱われる宅地の評価と同様の計算方法が適用されます。したがってセットバック済みの土地は、通常評価額の30%相当額で評価が行われるのです。またセットバック部分を不特定多数の人が通行している場合、公衆用道路と認められるため非課税になります。

セットバック部分は固定資産税が非課税になる

セットバック部分は道路として使用されることが多いので、固定資産税などの税金を免除してもらえます。ただし、自動的に免除されるわけではなく、土地の住所を管轄する市区町村役場に申請しなければなりません。

基本的には申請するだけでセットバック部分の税金を免除してもらえますが、土地の分筆を行っていないと申請が通らないこともあります。税金免除の申請を行う前に、まずは管轄の市区町村役場に確認しましょう。

税金免除の申請に分筆が必要な場合は、分筆によってセットバック部分の地目を公衆道路に変更します。また分筆には「境界確認書」「地積測量図」「申請書」が必要です。通常、必要書類を用意するために40万円前後の費用がかかってしまいます。自治体の補助制度を設けている地域もあるので、ある場合は積極的に利用しましょう。

セットバックには相続税の節税効果がある

宅地用の土地と接した道路の幅が4m以下の場合、セットバックが必要になります。セットバックを設けると敷地が狭くなってしまうこともありますが、法律で決まっているので拒否できません。セットバックが必要な場合、思い通りに土地を活用できませんが、相続税を節税できるメリットもあります。70%相当額の減額になるか、公衆道路と認められた場合にはセットバック部分の税金が免除されます。セットバックの必要がある土地を相続したら、税金免除の申請を行いましょう。

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引用元:東京スカイ法律事務所公式HP
(https://www.tsky.jp/)

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