不動産相続の疑問やお悩みについて、徹底解説
不動産相続の疑問やお悩みについて、徹底解説
監修:田中健太郎弁護士東京スカイ法律事務所/第一東京弁護士会所属
不動産相続での実績があり、各種事例から問題解決のお手伝いをしてくれます。平日は22時まで。土日の相談にも対応しており、LINEからの予約も可能。
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このページでは、親族が交通事故にて死亡してしまったとき、支払われた賠償金に関して兄弟姉妹間のトラブルについて解説していきます。
被相続人である母親が不慮の事故で他界をしてしまったケースになります。
既に父親は他界している状況で、兄弟姉妹は長男、長女、次女の3兄弟姉妹になります。つまり、本来であれば、3分の1ずつ分配されることになります。
しかし、長男が賠償金を全て独り占めしてしまい、長女・次女はもらえるはずの相続金を手にすることができなかったトラブルになります。
この事例のポイントは「長男が賠償金の交渉を代表して行うため、交通事故紛争処理センター宛の委任状に署名することを強く求め、署名をしてしまった」ということです。
A. 問題なく分配することは可能です。委任状はあくまでも賠償金の交渉を代表して行うだけのものであって、遺産相続に関する署名ではありません。
つまり、まったく関係がないということです。そのため、賠償金を分配しないといけないことになります。
この事例をもう少し詳しくみていくと、長女と次女にかかる心身的な負担を考えると非常に察するものがあります。
まったく後ろめたいと感じることはないにも関わらず、長男の強い主張に押し負けてしまっていた状況なので。
そもそも、長女・次女が委任状を書いた後、まったく連絡してこなかったことを不審に思って、交通事故紛争処理センターに問い合わせていなかったら、そのまま、賠償金を独り占めにするつもりだったようです。
そこで、長男に問い合わせたところ「どうしても賠償金が欲しいというのであれば1,000万円を渡すから、それを姉妹の二人にて、2分の1で分配して欲しい」との回答だったようです。
賠償金をいくらもらったのか?も分からない状態で、このように言われても到底納得のいくものではありません。
委任状に署名をしてしまったこともあり、強く反論ができなかったようですが、いくらなんでもおかしいということで、弁護士に初めて相談をした状況です。
さて、依頼を受けた弁護士は、長男と連絡を取って状況を確認すること、これと平行して交通事故紛争処理センターへ情報の開示を求める内容証明郵便を送ります。
その結果、賠償額は2,6000万円を超えるほどの金額でした。つまり、本来であれば、これを三分割することになるため、870万円ほどの相続がされるはずでした。
それを「1,000万円を半分として500万円にしなさい」ということになるため、納得ができるものではありません。
また、長男の主張(長男側も弁護士を立てて争う姿勢を見せます)は「葬儀費用は全額負担」「死亡までの治療費を一部負担」「慰謝料も最後まで面倒を見ていた」という3つの主張をして、賠償額の2分の1である1,300万円で和解をしたいと申し入れがありました。
それでも650万円となりますし、主張に関しても強い理由もありません。ということで、改めて3分の2を請求し、裁判も辞さないという旨を伝えると、長男側が折れて無事、均等に分配されることになりました。
本件は、早めに弁護士に相談をしておけばよかった最たる例といえます。
なかなか難しい面はありますが、最初から弁護士を立てておけば、姉妹の心身的な負担は凄く軽いものでしたし、長男との確執も大きくなるのを避けることができたかもしれません。
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