名義変更されていない遺産相続のトラブル回避法は?

このページでは、名義変更されていない遺産の相続をめぐるトラブルについて解説しています。

名義変更されていない土地の遺産相続はどう進めるの?

被相続人の親御さんが亡くなり、いざ実家の不動産相続手続きを進めようと思っても、名義人がかなり古い人物だと進め方が難しくなります。一例をあげて解説しましょう。

Q. 父が亡くなり、実家を相続しようと不動産関係の書類を取り寄せると名義は祖父のまま。どのような手順を踏んで名義変更をすればいいのでしょうか?

A.過去に遡って遺産分割協議書を作成することで、遺産相続をすることが可能です。ただし、遠い親戚などにも署名・捺印してもらう必要があることから、応じてくれるかどうかを含めて手続きにはリスクも付きまといます。

不動産の名義変更の手続き方法を含め、どのようなリスクがあるのか、また事前に取れる対策についてもご説明します。

まず事例を、簡単にみていきましょう。

亡くなった父親の実家を相続予定のAさんが、不動産関係の書類を取り寄せると、実家の名義は亡くなった父親ではなく「祖父」になっていました。つまり、祖父から亡き父への名義変更が行なわれていなかったのです。相続登記(不動産の名義変更)は順を追って行なわなければいけないので、祖父名義から、Aさん名義に直接変更をすることはできません。

父がしていないなら、そのままでいいかと考えるかもしれません。しかし、第三者に自分の財産だと主張するためには欠かせない手続きとなります。

相続登記は法律によって義務付けはされておらず、いつまでにしなくてはいけないという期限も設定されていません。そこで放置されたままのケースが多々ありますが、ご自身の財産を守るためにも、相続登記を行うことをおすすめします。

やるべきことは大きく分けて、以下の3つです。

・遺産分割協議書の作成

・登記関係書類の準備

・遺産分割協議書への署名および押印をもらう

今回のケースでは、3つの遺産分割協議書を作成しなければいけません。

・祖父からAさんの父への相続

・Aさんの父からAさんの母への相続

・Aさんの母からAさんへの相続

実務的には、3つの遺産分割協議書をまとめた1通のみを作成しても問題ございません。どちらを選択するかは押印する人が誰かも踏まえ、簡易な方を自由に選択できます。もし、祖父が亡くなった際の遺産分割協議書が残っていれば使用できますが、可能性は低いでしょう。

また、不動産相続にかかる遺産分割協議書作成と並行して、登記関係書類を揃える必要も。書類は3つの名義変更分を用意。このように、多くの書類作成や準備を行うのは煩雑に感じるものです。また、いざ 書類を揃えたとしても、遺産分割協議書に全員が押印してくれるという保証はありません。

遺産分割協議書に署名・捺印をする立場から考えるとどうでしょう?ある日会ったこともない人が、自宅を訪ねてきて、祖父の遺産分割協議書へ押印してほしいと頼まれても、すぐには押せないものです。

祖父の子どもが亡くなっている場合は、お孫さんを探したり、移転などにより居所を探したりという事態も考えられます。遺産分割協議書に押印する人物が2~3名ならまだしも、10名を超えてくると時間も労力もかかるでしょう。お仕事をしながら、書類の作成や準備、加えて休日に遠縁を含めた親族巡りをすることを考えると、非常にストレスフルなものです。

そこで、遺産分割協議書や必要書類探しなど、相続に関する相談や代行を、不動産相続を得意とする弁護士に依頼するのも一つの方法です。今回のケースも祖父が亡くなる前に不動産の名義を変更していれば、スムーズに不動産相続ができたことでしょう。

名義変更がされていない遺産相続を子どもや孫にさせないためにも、早めにお持ちの土地の登記状況を確認することをおすすめします。不動産を管轄している法務局に行けば、不動産に関わる情報を入手することができます。その際には、忘れずに名義人を確認し、古い名義になっている場合は、すぐに対応を取るようにしてください。

最後に、今回の事例におけるポイントをまとめてご紹介します。

・名義変更がされていない不動産の相続手続きは、遡って相続登記が必要

・相続登記を行うためには、遡って遺産分割協議書作成が必要

・遺産分割協議書には署名および押印をしてもらう必要がある

名義変更がされていない不動産の相続に関しては専門家の力も借りながら、早急に手続きをすすめるのが賢明です。

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このページの監修
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引用元:東京スカイ法律事務所公式HP
(http://www.tsky.jp/)

このサイトは「東京スカイ法律事務所」の田中健太郎弁護士に監修していただいています。同氏は弁護士と行政書士、両方の資格を所持し、弁護士になる前は司法書士として活躍していたという経歴の持ち主。不動産相続に関する豊富な知識と実績を持つ弁護士です。
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