持ち家(戸建て)の相続でやるべきこと

本ページでは、親御さんが所有する一戸建ての家の相続において、起きやすいトラブル事例と、その対策について、取りまとめて紹介しています。

持ち家の相続トラブル、起こりやすい事例と対策について

まずは、実際に起こりがちなトラブル事例から見ていきましょう。

兄だけ父親(被相続人)と同居し、他の兄弟姉妹は別居していた場合の実家の権利

被相続人の配偶者は既に他界し、法定相続人は被相続人の3人の子である場合に、父親名義の持ち家に、長男が同居、次男は結婚して別に暮らしており、長女も別の家に嫁いでいると仮定します。

長男は、晩年は認知症を患っていたお父様の介護にも尽力し、最期までお世話をしていたとします。亡くなったお父様名義の一戸建て住宅は、普段からそこに居住し、また父親の介護の世話をしてきたという自負により、長男の立場からしてみれば、当然自分がこの家を受け継ぐ権利がある、と考えることでしょう。

介護や同居といった事情があっても相続分は変わらない

現行法の相続制度に照らし合わせれば、介護をしていた、普段から同居していたということは、寄与分が認められる場合を除き、相続分に影響しません。この場合、配偶者である母親も既に亡くなっているという設定ですので、長男、次男、長女は父親の財産を均等に相続する権利を有しています。

そのため、長男がお父様と同居していた家に引き続き住み続けたいとしても、その希望は次男と長女の同意がなければ実現できません。

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たとえ仲の良い兄弟姉妹でも、不仲になりやすいのが不動産相続

実はこうした事例は、年々増え続けています。家庭裁判所に持ち込まれた遺産相続トラブルの件数を見ても、昭和60年は5,141件だったのに対し、平成23年には11,724件と、実に2倍以上!もっともこれは実際に家庭裁判所に持ち込まれた件数ですので、実際にはこの何倍もの相続トラブルが起きていると考えられるのです。「うちの兄弟は仲がいいから、相続トラブルなんて起こらない」と考えているのであれば、直ちに考えなおしてください。遺産相続、特に分割の難しい不動産の相続というものは、そうした仲など、簡単に切り裂いてしまうのです。

問題の家を「共有名義」に…これは絶対避けるべき!

ではこうした場合、問題を解決するにはどうしたらよいのでしょうか。基本的には遺産分割協議によって、相続人全員が納得できる形で財産をどう分けるかを話し合うしかありません。この場合は、長男、次男、長女の3人でということになります。例えば、この家以外にも、現金や有価証券といった財産があるのであれば、長男が家を取り、次男と長女は現金や有価証券といったことも可能ですが、家だけしかないという場合は厄介です。

「共有名義」とすることは、その次の世代の相続人に負担を招く

相続するものが不動産しかない場合に、妥協として行われがちなのが、この家を、共同相続人全員の共有名義とする方法です。しかし、これでは、共同相続人の死後には当該不動産を相続する相続人が増え、不動産を処分すること等が困難となる等、次の世代の相続人に負担を負わせることになります。

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不動産相続に伴うトラブルというのは、一度揉めてしまうと、当事者だけで解決するのは難しくなります。早めに弁護士に依頼し、早期解決に尽力すべきです。

不動産を相続する場合の多くは相続税が課税されることが考えられ、納税期限があります。また、不動産価格は常に変動しますので、長い間相続について揉めた挙句、いざ売り出そうとしたら二束三文の値段にしかならなかったというケースもありえます。繰り返しになりますが、早い段階での弁護士への相談が賢明です。

不動産の相続、弁護士に依頼すべき理由について詳しく見る>>

戸建て物件の相続税評価の考え方

戸建て物件の相続税は、「固定資産税評価額」を元にして計算されます。この時に算出できるのは建物のみで土地はまた別です。

戸建ての固定資産税評価額は建築費(時価)が基準

各市町村は、国が定めた固定資産税評価基準に沿って、評価額を決定します。戸建て住宅は、建築費(時価)の50%から80%程度となることが多いようです。土地と家屋の評価額は3年ごとに見直されているので、最新のデータは各市町村役場へ出向いて入手することになります。

相続税の基礎控除の計算方法

相続税には控除があります。計算方法は以下の通りです。

5人家族の父親が亡くなり、母親と兄弟3人が法定相続人となった場合、5,400万円が控除額となります。 控除額の計算には、法定相続人の人数が重要です。しかし、5人家族だったから、1人が亡くなり4人が相続すると安易に考えるのではなく、被相続人の戸籍を取得して、きちんとした人数を把握しておきましょう。

基礎控除額より高いか安いか

相続税は、算出した控除額よりも固定資産税評価額が高いか安いかによって違いがあります。基礎控除額よりも、評価額が安い場合は相続税がかかりません。逆に、高い場合は相続税を払う義務が生じます。

例えば、固定資産税評価額が7,000万円、控除額が5,400万円だとすると、評価額の方が高いので相続税を支払わなくてはいけません。

戸建ての相続にまつわる具体的な事例

戸建て住宅の相続事例を見てみましょう。

遺言書があっても気を付けたい遺留分減殺請求

兄と弟がいるAさんは、母親の介護をしながら一軒家で暮らしていました。兄と妹は家を出ており、母親の世話をしているのはAさんだけです。財産となるものは、一軒家しかありません。母親はそんなAさんに、家を相続してもらえるよう公正遺言証書を作成していました。

母親が亡くなり、Aさんは遺言書通りに家を相続しました。しかし、家を出ていた兄から遺留分減殺請求をされたのです。兄は法定相続分の遺留分を相続できるはずだと主張しました。

遺留分減殺請求とは、特定の相続人(この場合はAさん)に遺産分配が偏ったときに、法定相続人が遺産を請求できる制度です。Aさんはまさか請求されるとは思っておらず、土地や建物など分配が難しい遺産をお金に換算して分ける代償分割をしていませんでした。

相続をスムーズにするなら生前からの準備が必要

Aさんのように、遺言書を書いていてもらっていても他の兄弟から遺留分を請求されるケースはままあるようです。また、遺言書が公正なものではない・代償分割が必要になるのにされていないケースも火種となります。

相続する、される戸建てを保有しているなら、プロである弁護士に早めに相談して準備しておくのがおすすめです。家を残しておくのか、売却して分配するのかなどしっかり家族で話し合っておきましょう。

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このページの監修
東京スカイ法律事務所

東京スカイ法律事務所公式HP

引用元:東京スカイ法律事務所公式HP
(http://www.tsky.jp/)

このページは、不動産相続に強い「東京スカイ法律事務所」の田中健太郎弁護士が監修しています。東京スカイ法律事務所では電話やメールでの相談にも応じており、LINEで相談予約をすることが可能です。