相続不動産の評価

このページでは、不動産物件を相続する際、その土地家屋はどのような方法で評価されるのかについて解説します。

相続する不動産、その評価方法はいかに?

不動産相続において気になるのは、相続税の金額にも大きく影響を与える不動産の評価額についてではないでしょうか。

しかし、その一方で、その評価とはどのような基準で行われるのか、

それこそ不動産関係のお仕事をしている方でもなければ、ご存知ないのが普通です。ぜひ、知識を深めておきましょう。

 

土地の評価方法は主に4種類

ではまず、土地の評価方法について見ていきましょう。これまたご存知ない方が多いと思われますが、土地の評価方法というのは、大きく分けると、以下の4つがあります。

売買取引時価(実勢価格)

実際にその土地を売買する際の相場価格になります。不動産業者などによって、その土地の面積や形状、立地、周辺環境などの要素を総合的に踏まえて算出されます。

公示価格

国土交通省が示す土地(地価公示標準地)の値段になります。毎年3月下旬ごろに公表される土地価格の指標ですが、上記の実勢価格の90%程度となるのが普通です。

路線価

相続税や贈与税に大きな影響をおよぼすのが、この路線価になります。国税庁によって例年7月に発表されるもので、主に都市部の市街地の路線に面する宅地の価格を評価したもの。上記の実勢価格の70~80%程度となるのが普通です。

固定資産税評価額

市町村(東京都23区内の場合は都税事務所)が示す土地の値段で、実勢価格の60~70%程度となるのが普通です。路線価が算出されていない地域の土地は、この固定資産税評価額をベースに、地域ごとに所定の係数をかけたものを評価額とします。これを「倍率方式」と呼びます。

以上のように、土地の相続税・贈与税の対象となる、評価額は、路線価が算出されている地域の場合は路線価に基づいて算出(路線価方式)され、そうでない地域では、固定資産税評価額に地域ごとに定められた倍率を乗じて算出(倍率方式)します。

建物の評価方法はどうなっている?

続いて、建物の評価額についてご説明したいと思います。建物の場合は公示価格や路線価といったものはなく、都税事務所または市町村が示す固定資産税評価額がそのベースとなっています。具体的な金額は、固定資産税係の窓口に赴き、固定資産課税台帳で確認することができます。その物件の標準的な建築費用の60%~70%程度がおおよその目安となります。

なお、賃貸マンションやアパートなどの収益物件の場合は、借家権があるため、勝手に売却することができないという事情を踏まえ、固定資産税評価額からさらに30%程度が差し引かれた額となります。

以上の通り、不動産相続の評価額というものは、規定によって算出されるという仕組みになっています。繰り返しになりますが、こうしたことに不慣れな方は、疑問や不明点などに悩まされることも多いはず。そうした場合には、実績やノウハウに長けた弁護士事務所などに依頼するのが賢明です。

相続した不動産が文化財建造物だった場合の評価と対策

マンションや一戸建てなどの一般的な住宅ではなく、文化財建造物を相続することになった、という方もいるでしょう。

近年、文化財建造物の数は増加傾向にあるといいますから、決して他人ごとではないかもしれません。

そこでここでは、文化財建造物を相続した場合の評価と対策についてご紹介します。

文化財建造物とは価値の高い建造物のこと

そもそも文化財建造物とは、平たくいえば文部科学省や地方自治体の定める条例などにより指定を受けている建物のことを指します。

文化財建造物には以下の3つがあります。

重要文化財

国が定めた文化財保護法によって規定されているものです。日本における歴史的、芸術的、学術的価値の高いもののうち、文部科学大臣から指定を受けた建造物のことを指します。

登録有形文化財

平成8年10月に施行された文化財登録制度により、文化財登録原簿に登録された建造物、及び美術品、歴史資料などを指します。

伝統的建造物

文化財保護法上の文化財の一つであり、一般的に伝統地区に選定されている地域にある価値の高い建物が指定されています。

文化財建造物の相続税評価額には控除率が存在する

文化財建造物を相続した場合、相続税評価額はどのような計算になるのでしょうか?

上述の通り、文化財建造物には重要文化財、登録有形文化財、伝統的建造物の3種類がありますが、種類に応じて通常の相続税評価額から、決められた割合の控除を受けることができます。

その割合は、国税庁による財産評価基本通達の「文化財建造物である家屋の敷地の用に供されている宅地の評価」によって以下のように定められています。

重要文化財 0.7
登録有形文化財 0.3
伝統的建造物 0.3

文化財建造物の相続税評価額は、該当する建物が一般の建造物であったと仮定した評価額に、この割合を控除することで算出することが可能です。

一般の建造物と仮定した場合の評価額 2,000万円
重要文化財の場合の評価額 2,000-2,000×0.7=600万円
登録有形文化財の場合の評価額 2,000-2,000×0.3=1,400万円
伝統的建造物の場合の評価額 2,000-2,000×0.3=1,400万円

文化財建造物と敷地の相続税評価は違うことも

文化財建造物そのものには相続税評価の控除が適用されていても、その敷地まで同じかというとそうではありません。もちろん、文化財建造物と同様に相続税評価の地域に該当する場合であれば、「文化財建造物である家屋の敷地の用に供されている宅地の評価」によって定められている通りの控除割合が適用されます。

しかし、敷地が相続税評価の地域に該当しない場合、その敷地と同条件の近隣の敷地の固定資産税評価をもとにして評価額が算出されます。もとにして、というのは、その敷地と近隣の敷地の間には条件に差が生じているため、それを修正する必要があるということです。

これを計算するには固定資産税評価証明書が必要となり、取得には市区町村の役所に出向かなければなりません。この時、身分証明書や被相続人の戸籍謄本などを提出する必要があります。事前に用意しておくことで取得がスムーズになるでしょう。

文化財建造物を相続する際は弁護士に相談しよう

いずれにしても、文化財建造物を相続する場合、知識のない方にとっては相続税評価額の算出方法は非常に厄介なものです。 特に、建造物と敷地の評価が一定でないケースでは多くの方が頭を悩ませてしまうといいます。相続した不動産が文化財建造物だった時は、弁護士に相談するのが最も良い対策方法といえるでしょう。

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