不動産の相続でお悩みの方へ

お身内の方が亡くなり、不動産を相続することは、頻繁に起こることではありません。初めてのことで、何をどうすればよいのか分からない方のために、不動産相続に関する知識やルール、事例などをまとめました。

弁護士の監修のもと詳しく解説しているページもあります。ぜひお役立てください。

こんな時どうする!?
不動産相続トラブルQ&A

不動産の相続におけるトラブルは実に様々で、ひとつとして全く同じということはありません。ここでは、家族間における不動産相続のトラブルにスポットを当てました。弁護士監修のもと、「兄弟姉妹編」「夫婦編」「親子編」に分けて様々なトラブル事例をQ&A形式でご紹介いたします。

ご自身が抱える悩みに近いものもあると思いますので、参考にしてみてください。

田中健太郎 弁護士東京スカイ法律事務所
監修:田中健太郎弁護士
(第一東京弁護士会所属)
このページは、東京スカイ法律事務所の田中健太郎弁護士に監修していただいています。
不動産相続に強く、法律相談件数10,000件以上。土日の相談にも対応しており、LINEからの予約も可能です。

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~兄弟姉妹編~

不動産の相続における兄弟姉妹間の揉め事というのは一番起こりやすく、簡単に分けられないだけあり泥沼になりやすいと言えます。

生前のご両親との親密度の違いや、法律で定められている事実とのギャップ、さらには誤解や思い込みなどによるボタンの掛け違いなど。そうしたトラブル事例を、Q&A形式で紹介していきます。

親と同居していた家の売却を兄弟から要求された

親(被相続人)の死去まで同居し、介護をしていた長男。引き続き住み続けたいのに、他の兄弟から退去・売却を迫られたとのこと。

A.親(被相続人)が死去した時点で、その家は相続人全員による遺産共有状態に。長男の要望を叶えるには、遺産分割協議にて、相続人全員の合意が必要になります。 

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遺言書がないのに、勝手に不動産の名義を兄の名前で登記された

相続するはずの親の不動産を、兄が勝手に兄の名義で登記していて取り戻せるかという、弟さんからの相談になります。

A.このケースは兄が、正式な手続きを経ず、遺産分割協議を偽造して行ったと考えられます。無効にすることができ、遺産分割協議のやり直しが可能です。

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相続時に、異母(異父)兄弟がいることが判明!相続はどうなる?

父親の離婚歴と異母兄弟の存在が、死去後に判明。とうしたらよいのか、戸惑っているというご相談になります。

A.前妻に相続権はありませんが、異母兄弟にはあります。遺産分割協議に参加する権利があり、連絡しないと後で遺産分割協議が無効となる可能性大です。

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兄弟で不動産を共有名義で相続したけれど、良くない?

亡くなった父親名義の不動産をどうするか遺産分割協議で決着がつかなかったため、3兄弟の共同名義で相続登記したというケースです。

A. 遺産分割協議で決着がつかないからといって、共同名義にするのは問題の先送りにすぎません。後々のトラブルの火種になることも…。

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生前、1人だけ財産を多くもらっていた分は取り戻せる?

3兄弟のうち、長男だけが生前の父親から、現金贈与を受けていたので、その分を遺産分割で取り戻せないかというご質問です。

A. このケースは特別受益というケースに該当します。贈与の確固たる証拠があれば、その贈与分を差し引いて分配計算をすることができます。

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親の面倒を見ていたのは自分。他の兄弟より多くもらえる?

晩年、脳梗塞を患い要介護となった父親の面倒を見ていた長男。他の兄弟は何の面倒も見ていなかったので、その分、自分の取り分が多くならないかという質問です。

A. 寄与分という制度がありますが、介護をしただけではダメです。「被相続人の財産の維持や増加」に貢献した場合に認められるものです。

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~親子編~

遺産相続での親子間の争いは、頻度として兄弟姉妹間ほどではないにせよ、こちらも起こりやすい傾向があります。それこそ価値観や考えの違いから険悪な関係となってしまい、対立した状態が続くと、相続にも大きな影響を及ぼすことになります。

親子間での遺産トラブルについて、代表的なものを見ていきましょう。

両親と絶縁状態。亡くなった時に相続できる?

結婚を反対されたことで長年絶縁状態となっていたという息子さんから、そのような場合でも、相続権はあるのでしょうかという質問です。

A. たとえ勘当されていたとしても、相続欠格や相続廃除などの手続きがされていない限り、遺産相続の権利はあります。

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赤の他人に全財産を譲ると遺言書に書いてある。取り戻したい!

亡くなった父親の遺言に、全財産を馴染みだったホステスに譲ると記載されており、納得できないという息子さんからのご相談です。

A.法定相続人には遺留分というものがあり、遺言の内容に関係なく、一定の財産は保障されています。ただし、遺留分減殺請求をしてもホステスに、所定分(遺産の半分)は渡さなければなりません。

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子供が先に亡くなっているケースでは、相続人は誰になる?

被相続人の子供が先に亡くなっている、決して珍しいことではありません。そうした場合、孫が相続人となる代襲相続というものがあります。

A. 代襲相続によって子が亡くなっている場合は孫、孫も亡くなっている場合はひ孫になります。ただし養子の場合、縁組前に生まれた孫には権利がありません。

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養子縁組した子供は何人まで相続可能?

養子縁組には、普通養子縁組と特別養子縁組があり、相続では、その立場と資格に大きな違いがあります。

A. 相続自体は何人でも可能ですが、相続税の控除の対象になるのが、普通養子縁組の場合2人まで(実子もいる場合は1人まで)。一方、特別養子縁組の場合は実子と同じく、制限はありません。

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連れ子は義理の親が亡くなった時に相続できる?

お互いに連れ子があり、結婚後実子が生まれたというご夫婦。3人のお子さんに平等に相続させることはできるのかというご質問です。

A. 養子縁組をしない限り、ご主人が死去した場合は奥様の連れ子、奥様が死去した場合、ご主人の連れ子に相続権はありません。

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胎児は相続人になれる?

懐妊中に不幸にもご主人を亡くされてしまった。その場合、相続人はどうなるのかというご質問になります。

A.胎児も法定相続人と認められるため、ご主人の親兄弟は、相続人にはなれません。ただし、死産の場合は話が変わってきます。

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自分でやると大変!
不動産相続の手続きの流れ

身内の方が亡くなるというのは精神的なショックが大きいものですが、感傷に浸っている暇はありません。

否応なく、想像しているよりもはるかに膨大、かつ煩雑な手続きを行わなくてはなりません。ここでは時系列に沿って、やらなければならないことを確認してみましょう。

相続の開始

銀行口座は、名義人死去の時点で凍結され預金や出金不可能に。口座の解約には相続人全員の自筆署名や実印の押印などの手続きが必要になります。また自動引き落としされている公共料金、税金、ローン会社などへ直ちに連絡し、健康保険や年金に関する手続きなども必要です。

遺言書があるかどうか確認

遺言書の有無および内容を確認します。公正証書遺言ならば公証人役場にて確認できますが、自筆遺言などの場合は、遺言書がどこにあるか、しっかりと探す必要があります。加えて、開封には、家庭裁判所の検認が必要、遺言書を勝手に開封することは罰金の対象になります。

相続人の調査・確定

誰が法定相続人になるのか、他に法定相続人はいないかを確定するため、戸籍の調査などが必要になってきます。弁護士や司法書士などの助けを借りるとよいでしょう。未成年者や重度の認知症患者などがいる場合は、家庭裁判所にて特別代理人や後見人の選任手続きが必要です。

相続財産・債務の調査

被相続人名義だった不動産物件をはじめ、現金や有価証券などがどれくらいあるのか、逆に債務などの負の遺産があるのかを調査します。相続放棄や限定承認する場合は、相続開始から3ヶ月以内に申請が必要ですが、調査が困難な場合は家庭裁判所に伸長を申し出ることも可能です。

所得税、消費税の申告(準確定申告)・納税

被相続人が生前に得ていた所得に対する所得税ならびに消費税の納税作業を、相続開始から4ヶ月以内に行う必要があります。なお、その場合にも相続人全員の署名と認印が必要となりますので、時間に余裕をもって予め準備しておくことが望ましいと言えます。

遺産分割協議書の作成

遺言書の内容や、上記の相続財産・債務の調査内容、各相続人の法定割合などを考慮した上で、遺産分割協議を行います。相続税や所得税、消費税なども考慮した上での遺産分割案を検討し、相続人全員が合意したら、その内容を書面とし、全員で署名・押印を行います。

不動産の名義変更(相続登記)の必要書類

遺産分割協議の内容に応じて不動産の相続登記をする場合は、所定の登記申請書に加え、各種の必要書類も添付する必要があります。遺産分割協議書も必要となり、相続人全員が実印で押印して相続人全員分の印鑑証明書も添付します。不動産を相続する相続人の住民票や固定資産評価証明書なども必要になります。

いずれにせよ、かなり煩雑で手間暇がかかることになりますので、弁護士や司法書士のサポートを受けることをおすすめします。

相続税申告・納税

相続した不動産や財産の範囲、評価額などの資料を揃え、税務調査を受け、相続税の申告、納税を行います。基本的には被相続人の死去から10ヶ月以内に行います。なお、相続税を数年に分けて納税する「延納」や、不動産等の物で納税する「物納」の申請も行うことができます。

不動産相続における遺言書作成のススメ

遺産相続を原因とした親子や兄弟間で骨肉の争い。その原因の筆頭となるのは、不動産に他なりません。現金など、分配しやすいものであれば問題ありませんが、不動産というものは、平等に分けるということがなかなかできません。

そこで遺言書を予め作成し、不動産の扱いをどうしておくか指定しておくことで、ご自身の死後、そうした争いの芽を予め摘んでおくことが重要なのです。

事例から不動産相続にまつわる
注意点を解明!

前述の通り、不動産相続は公平な分割というものがなかなか難しく、加えて相続税などの問題も加わって、本当ならば所有して居住したり活用したいのに、泣く泣く手放さなければならなくなったということも多いのが現実です。

そうした事例を予め知っておくことで、ご自身の相続における対策や問題解決のヒントとしていただきたく思います。

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不動産の相続、弁護士に依頼すべき理由

不動産を相続する際、必ずしも弁護士に頼まなくてはいけない…ということはありません。しかし、現金のように分割することが難しい不動産の相続は、何かとトラブルが発生しがちなのも事実。弁護士にしかできないこともあります。トラブルが発生しそうなら、まずは弁護士に相談してみましょう。